エコデザインの工程と材料

エコデザインの工程と材料

わたしたちは地球環境を考えた製品の設計を心がけることで、環境への影響を大きく軽減できると考えています。
そこで、資源とエネルギーの消費を最小限に抑える製品の素材や製造工程を新たに模索しました。

デカトロンでは、この環境に配慮した製品設計を「エコデザイン」と呼んでいます。

エコデザインで設計された製品は、従来の方法で作られたものと同じ品質や耐久性を保ちながら、さらに環境へのメリットを提供することを約束します。

デカトロンは、2026年までに製品の100%をエコデザイン製品にすることを目標としています。

環境に配慮した素材

製品のライフサイクル全体を通して環境への配慮を行うため、私たちは素材の改良から取り掛かりました。

オーガニックコットン

ORGANIC COTTON

生物多様性や土壌肥沃度を保ち、従来のコットン栽培から関連する地下水の汚染リスクを軽減。製品全体の90%がオーガニックコットンから作られている場合に、エコデザインとして定義。

コットン栽培には人間や生態系に与える2つの重大な影響があります。1つ目はコットン栽培をする際に大量の水が消費されること。

2つ目はコットンを害虫から守るために、人間や生態系に有害な殺虫剤が使用されること。

ここのためコットン栽培は人間と生態系の両方に重大な影響を与えます。

デカトロンでは、化学肥料を使用しないことで生物多様性や土壌肥沃度の保全、従来のコットン栽培に関連する地下水の汚染リスクを軽減。

また、化学肥料による農場で働く従業員の人体への悪影響も防ぐこともできます。

コットンの元なる種はGMOフリー(非遺伝子組み換え)。

また殺虫剤の使用を控えるために、土壌には影響が少ない自然由来の肥料を、害虫予防のためには自然由来の害虫駆除薬を使用。

生産への影響を極力抑えながら、地球環境への影響を考えるやり方に着目しました。

リサイクルコットン

RECYCLED COTTON

コットンの栽培量を調整することで、地下水や土壌環境への影響を削減。

わたしたちはコットン栽培の量を必要最小限にするため、バージンコットンと生産過程で発生した切れ端や生産が終了したウェアを利用したリサイクルコットンを合わせて糸を作っています。

これにより新しくコットンを一から栽培する量を減らし、地下水や土壌環境への影響を削減。

100%コットンを使用した服や布を回収・再利用し、そこから新しい糸を形成する繊維を抽出します。抽出の際、リサイクル繊維は強度が弱くなっています。

そこで、繊維の強度を高めるためにバージン・コットンの繊維を一緒に混ぜ込んで、リサイクルコットンを生産しています。

これにより素材の強度を損なうことなく、従来のコットン栽培から受ける影響を削減しています。

リサイクルプラスチック

RECYCLED PLASTIC

再生プラスチックを利用することで、石油由来の原材料の使用を削減。製品重量の40%が再生プラスチックから作られている場合に、エコデザインとして定義。

再生プラスチックを利用することにより、石油由来の原材料の使用を削減。

さらに製品の品質と耐久性を損なわないように努めています。

使用済みのプラスチックを小さなフレーク状にするために粉砕し、溶かします。

高温の熱でプラスチックはペースト状になった後、使用用途に沿った型に注ぎ込まれて新しい命が吹き込まれます。

リサイクルポリエステル

RECYCLED POLYESTER

ペットボトルやウェアをリサイクル・再利用することで、石油資源の利用を削減。製品重量の70%が再生ポリエステルから作られている場合に、エコデザインとして定義。

ペットボトルやウェアをリサイクルしてポリエステルに生まれ変わらせることで、石油資源の利用を削減。

同時にスポーツをする際に動きやすいような布本来の特徴を損ないように気を付けています。

ペットボトルは洗浄され、フレーク状に細かく刻まれます。その後、溶かされてペースト状になり、押し出しスクリューを使用することで細い糸状の形態に。

この糸は巻き枠に巻きつけられ、再生ポリエステルの糸に生まれ変わります。



環境への影響を抑えた製造工程

素材だけでなく、製品の製造工程も環境に配慮するように努めています。

ドープ染め

DOPE DYE

糸に着色顔料を直接練りこむことで、水の使用量を削減。製品重量の50%がドープ染めの生地から作られている場合に、エコデザインとして定義。

従来は布を染色する際に大量の水が必要となります。わたしたちは貴重な水資源を大切にするため、ドープ染めとよばれる工程を採用しています。

この製法は着色された水に布を浸して染めるのではなく、糸に着色顔料を直接練りこむことで、水の使用量と産出される廃水を削減。

まず筒にペースト状にしたポリエステルを入れ、これと同時に粉状の着色顔料を混ぜ込みます。

この筒の先端には細い穴が備えてあり、押し出しスクリューが素材を細い糸として押し出します。糸が押し出された後は着色された糸として出来上がります。

糸ごとに染色

BITON

糸の染色量を減らすことで、水の消費量と製造工程で産出される廃水量を削減。製品重量の50%がBitonを使用している場合に、エコデザインとして定義。

染色には大量の水が消費されます。水の消費と排水の影響を減らすため、布を構成する2本ある糸の内1本だけを染めることにより、水の消費と水資源への影響を抑えるようにしています。

これは’two-tone’とよばれるもので、片方は染色されており、もう一方は染色されていません。

Biton布では布を構成する2本の糸の内1本のみを染色。

布を織る工程では染色された糸を横に、染色されていない糸を立てに入れる作業を繰り返し行うことで生地を織っていきます。織り上げられた布は環境への影響を抑えながら、独特な風合いを作り出せます。

また、この製法で染色されている糸も環境への影響を抑えた「ドープ染め」で染色されています。