ダウンジャケットに防水は必要?用途に合った防水・撥水機能の選び方解説

ダウンジャケットに防水は必要?用途に合った防水・撥水機能の選び方解説

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「登山用のダウンジャケット、種類が多すぎて何を選べばいいかわからない……」「雨に濡れるのが怖いから、とりあえず防水機能がついた高いやつを買えば安心?」


冬山登山やハイキングの装備を揃える際、決して安くない買い物だからこそ、ダウンジャケット選びで迷ってしまう方は非常に多いです。特に**「水濡れ」への不安**から、ハイスペックな完全防水モデルを検討する方は後を絶ちません。


しかし、断言します。もしあなたが、雪山でのハードなアルパインクライミングではなく、一般的な登山やハイキング、キャンプでの使用を考えているのであれば、「完全防水のダウンジャケット」は、かえって失敗の原因になる可能性があります。


実は、登山用ダウンにおいて「防水性の高さ」だけを追い求めると、逆に「汗冷え(低体温症のリスク)」「重量増による疲労」、そして「無駄な出費」で後悔してしまうことがあるのです。


この記事では、フランス発の総合スポーツブランドとして、世界中の登山家の声を製品開発に反映させてきた私たちデカトロンが、**「防水・撥水・耐水の違い」から「快適かつコスパよく山を楽しむための最適な選び方(レイヤリング術)」**までを徹底解説します。


これを読み終える頃には、あなたはもうスペック表の前で悩むことなく、自分にとって「本当に必要な一着」を自信を持って選べるようになっているはずです。


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そもそも、なぜダウンジャケットに「防水」を求めてしまうのか?

ダウンジャケットを選ぶ際、多くの人が真っ先に気にするのが「水への強さ」です。なぜ、これほどまでにダウンと水は相性が悪いと言われるのでしょうか。まずはそのメカニズムを正しく理解しておきましょう。


1. ダウン(羽毛)が暖かい「科学的な仕組み」

ダウンジャケットの中に入っているのは、水鳥の胸の毛(ダウンボール)です。このダウンボールは、タンポポの綿毛のような形状をしており、羽毛同士が絡み合うことで**「デッドエア(動かない空気の層)」**を大量に溜め込みます。


空気は、熱を伝えにくい(断熱性が高い)物質です。この空気の層が体温を逃さず、外気を遮断する「見えない壁」となることで、私たちは暖かさを感じることができます。つまり、ダウンジャケットとは**「空気を着ている」**状態なのです。


2. 水濡れが引き起こす「ロフト(かさ高)の崩壊」

しかし、ダウンには致命的な弱点があります。それが**「水濡れ」**です。ダウンボールが雨や汗で濡れると、水分を含んで重くなり、ペシャンコに潰れてしまいます。これを「ロフトの崩壊」と呼びます。


ロフトが潰れると、暖かさの源であった「空気の層」が消滅します。さらに悪いことに、濡れた衣服は水分の蒸発とともに体温を奪う(気化熱)ため、保温着であるはずのダウンが、逆に**「体を冷やす冷却材」**へと変わってしまうのです。


山において体温を奪われることは、低体温症に直結する命に関わるリスクです。だからこそ、多くの登山者は「ダウンを絶対に濡らしたくない」と考え、防水機能を求めるのです。


3. 「防水」「撥水」「耐水」の決定的な違い

ここで多くの人が混同しやすいのが、「防水」「撥水」「耐水」という用語の違いです。これらを正しく理解していないと、用途に合わない製品を選んでしまいます。

機能名 仕組み 特徴 登山での役割
防水 (Waterproof) 生地の裏側まで水を「遮断」する 強い雨でも内側に水を通さない。レインウェア(カッパ)の機能。 外からの雨・雪をシャットアウトする「盾」。
撥水 (Water-repellent) 生地の表面で水を「弾く」 水滴がコロコロと転がり落ちる。シリコンやフッ素コーティングなど。 小雨や汚れを弾く。ただし長時間や強い圧力には耐えられない。
耐水 (Water-resistant) 水圧に対して「耐える」 生地に染み込もうとする水の圧力にどれだけ耐えられるか(数値で表される)。 小雨〜普通の雨程度なら耐えられるが、完全防水ではない。

「防水ダウン」と言われているものの多くは、生地に防水透湿素材(ゴアテックス等)を使用し、縫い目にはシームテープ加工を施して「水の侵入経路を完全に塞いだもの」を指します。


一見、これが最強の解決策に見えます。しかし、次の章で解説する「ある落とし穴」があるため、必ずしも全ての人におすすめできるわけではないのです。

【結論】登山用ダウンに「完全防水(ゴアテックス等)」が必ずしも正解ではない理由

「完全防水のダウンジャケットなら、雨も防げて最強では?」そう考えるのは自然なことですが、実は登山という運動量の多いアクティビティにおいては、それがデメリットになるケースがあります。


その最大の理由は、「透湿性(蒸れにくさ)」の限界にあります。


1. 「外からの雨」は防げても、「中からの汗」で濡れる

人間は、安静時でも皮膚から水分を蒸発させていますが、登山で急な坂を登っている最中は、冬であっても大量の汗をかきます。


完全防水の素材(メンブレンなど)は、水を通さない代わりに、空気の通り道も極端に狭くなります。「透湿性(湿気を逃す機能)」を備えた素材であっても、運動量が激しく発汗量がその処理能力を超えてしまった場合、逃げ場を失った湿気はダウンジャケットの内側で**「結露」**します。


その結果どうなるか?「雨は防げたけれど、自分の汗でダウンがびしょ濡れになり、休憩した瞬間に猛烈な寒さに襲われる」という、本末転倒な事態(汗冷え)が起こるのです。これを「内部濡れ」と呼びます。


2. 重量とかさばりの問題

防水素材を使用したダウンジャケットは、どうしても生地が厚く、硬くなりがちです。また、縫い目に止水テープ処理などを施すため、重量も増します。


  • 非防水ダウン: ふわふわで柔らかく、小さく圧縮して収納できる。

  • 完全防水ダウン: ゴワゴワして重く、圧縮してもあまり小さくならない。

天候が変わりやすい山では、暑くなったら脱いでザックにしまうシーンが頻繁にあります。その際、かさばって重いダウンは大きなストレスになります。


3. コストパフォーマンス(オーバースペック)

完全防水のダウンジャケットは、高度な技術と素材を使用するため、価格が非常に高額(数万円〜十数万円)になりがちです。ヒマラヤ登山や極寒地での作業など、特殊な環境でない限り、日本の一般的な冬山登山やハイキングにおいては、そこまでのスペックは「オーバースペック」であることが多いのです。


【解決策】雨も汗も怖くない!「撥水ダウン+レインウェア」が最強のレイヤリング

では、どのようにして「水濡れのリスク」と「蒸れ(汗冷え)のリスク」の両方に対処すればよいのでしょうか?


登山のプロやベテランたちが実践している最適解。それは「役割分担(レイヤリング)」です。


1着ですべてを解決しようとするのではなく、「保温担当(ダウン)」「防水担当(レインウェア)」を分けるのです。


この組み合わせが「最強」である3つの理由


① 状況に応じた温度・湿度調整ができる

  • 晴れている時: 透湿性の高いダウンだけを着て行動。汗をかいても湿気がスムーズに外へ逃げるため、蒸れずに快適です。

  • 雨・雪・強風の時: ダウンの上からレインウェア(ハードシェル)を羽織る。これで防水・防風対策は完璧です。

もし「完全防水ダウン」を着ていたら、暑くても脱ぐと雨に濡れてしまうため、脱ぐに脱げず、中で汗だくになるという地獄を見ることになります。別々に持っていれば、このジレンマを解消できます。


② メンテナンスが圧倒的に楽

ダウンジャケットを頻繁に洗うのは大変ですが、表面のレインウェアなら汚れてもすぐに洗えます。ダウン自体へのダメージも減らせるため、長く愛用することができます。


③ コストを抑えられる

高価な完全防水ダウンを1着買うよりも、「そこそこの価格の良質なダウン」と「しっかりしたレインウェア」を揃える方が、トータルコストを抑えつつ、応用範囲(3シーズン使えるなど)も広がります。多くの登山者は既にレインウェアを持っているはずですので、それを活用しない手はありません。デカトロンなら、シーズンを跨いで着回せられる高コスパな3WAYジャケットがおすすめ!


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失敗しないダウン選び!防水性より見るべき「3つの鉄則」


「じゃあ、具体的にどんなダウンを選べばいいの?」ここからは、防水機能以上にチェックすべき、本当に重要なスペック選びの基準を3つご紹介します。


鉄則1. 軽さと暖かさの証明書「フィルパワー(FP)」を見る

ダウンの品質は「フィルパワー(FP)」という数値で決まります。これは羽毛の「かさ高さ(ふくらみ具合)」を表す単位です。

  • FP 550以下: 一般的な街着レベル。少し重さを感じるかも。

  • FP 600〜700: 良質。 アウトドアでの使用に十分な暖かさと軽さ。

  • FP 700〜800: 高品質。 かなり軽量で暖かい。本格的な冬山におすすめ。

  • FP 800以上: 超高品質。 驚くほど軽いが、一般的に価格も跳ね上がる。

登山やハイキング用であれば、FP 600以上(理想は700以上)を目安に選びましょう。少ない羽毛量でも大きく膨らむため、「軽くて暖かい」を実現できます。


鉄則2. 「透湿性」と「撥水加工」のバランス

前述の通り、ダウンが濡れる原因の半分は「自分の汗」です。したがって、生地のスペックでは**「透湿性(湿気を逃す力)」**を最優先してください。


また、完全防水である必要はありませんが、**「撥水加工(DWR)」は必須です。小雨程度なら弾いてくれますし、汚れもつきにくくなります。最近では、ダウンの羽毛自体に撥水加工を施した「撥水ダウン」**も登場しており、万が一濡れてもロフトが潰れにくいのでおすすめです。


鉄則3. 実戦で差がつく「細部の機能(ディテール)」

スペック表には現れない、使い勝手の部分も重要です。

  • ポケッタブル仕様: 専用の袋やポケットに小さく収納できるか?ザックの中で邪魔にならないサイズになることが重要です。

  • 首元の高さとフィット感: マフラーを持っていけない登山では、ファスナーを一番上まで上げた時に首元がしっかり隠れるかが暖かさを左右します。

  • トグル(ドローコード): 裾やフードを絞れるゴム紐がついているか?風が強い時、ここを絞るだけで体感温度が5度変わります。


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長く使うためのプロ直伝ダウン・メンテナンス術


お気に入りのダウンを手に入れたら、正しくケアして長く使いましょう。「ダウンはクリーニングに出さなきゃダメ」と思っていませんか? 実は、正しい手順を踏めば自宅で洗濯でき、むしろその方がふっくら感が復活することもあります。


1. 洗濯頻度の目安

シーズン終了後に1回洗えば十分です。ただし、襟元や袖口の皮脂汚れが目立つ場合は、その都度部分洗いをしましょう。皮脂汚れは生地の通気性を悪くし、ダウンの劣化を早めます。


2. 洗濯のポイント

  • 洗剤: 必ず「ダウン専用洗剤」か「中性洗剤」を使用してください。通常のアルカリ性洗剤は羽毛の油分(天然の保護膜)を落としてしまい、保温力が低下します。

  • 洗い方: ファスナーを全て閉め、洗濯ネットに入れて「手洗いモード」や「ドライコース」で優しく洗います。

  • 乾燥(最重要): ダウンの洗濯で失敗するのは「乾燥」です。陰干しで表面が乾いたように見えても、中の羽毛は湿っています。

    • 裏技: 乾燥機を使うのがベストです。その際、「硬式テニスボール」を2〜3個一緒に入れて低温乾燥にかけてください。ボールがドラムの中で跳ね回り、濡れて固まった羽毛を叩きほぐしてくれるため、驚くほどフワフワに復活します。

3. 撥水機能の回復

洗濯を繰り返すと表面の撥水効果は落ちてきます。乾燥後に市販の「撥水スプレー」をかけるか、ニクワックスなどの「撥水剤」を使ってメンテナンスすることで、水を弾く力を蘇らせることができます。

最適な一着を見つけて、安全で快適な山旅を!

最後に、今回の記事の要点をまとめます。

  • ダウンにとって「水」は大敵だが、「完全防水」が必ずしも正解ではない

  • 登山では、運動中の**「汗冷え(内部結露)」**を防ぐことが最重要。

  • 基本は**「適度な撥水性+高い透湿性」を備えたダウンを選び、本降りの雨には「レインウェア」**を重ねて対応する(レイヤリング)。

  • 選ぶ際は**「フィルパワー(FP600以上)」「収納性」「動きやすさ」**をチェックする。

「ダウンジャケット」と「レインウェア」の役割を明確に分けることで、晴れの日も雨の日も、暑い時も寒い時も、常に快適な衣服内環境を保つことができます。これこそが、山の天候に対応するための知恵です。


デカトロンの提案

私たちデカトロンの登山ブランド**「FORCLAZ(フォルクラ)」**では、モンブランの麓で開発テストを繰り返し、過酷な環境でも耐えうる機能性と、多くの人に山を楽しんでもらうための価格設定を両立させたダウンジャケットを展開しています。

特に、以下のモデルは登山者の悩みに寄り添った設計になっています。

  • FP800の高品質ダウンと撥水生地のハイブリッド:暖かさと軽さを追求しつつ、濡れやすい肩やフード部分には防水素材を配置するなど、適材適所の工夫が施されています。

  • コンパクト収納:全てのモデルが専用ポケットやスタッフバッグに収納可能。

  • 驚きのコストパフォーマンス:自社開発・自社販売だからこそ実現できる、「このスペックでこの価格!?」という驚きをご提供します。

「高機能なダウンは高くて手が出ない…」「初めての雪山装備、予算オーバーで諦めかけている…」

そう悩んでいる方は、ぜひ一度デカトロンのダウンジャケットのラインナップをチェックしてみてください。あなたの次の山旅を、もっと暖かく、もっと軽くする「相棒」がきっと見つかるはずです。